【相続税の基礎講座 第3回】大幅な節税!「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」【瀬戸の税理士が優しく解説】

大幅な節税も可能!知っておきたい「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」
前回までは、相続税がかかるかどうかの目安となる「基礎控除額」と、相続税の対象となる財産の考え方について解説しました。
遺産を計算してみて、「基礎控除額を超えそう」と不安に感じた方もいるかもしれません。
ただし、相続税には、条件を満たすことで税負担を大きく減らせる制度があります。今回は、特に利用されることが多い「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」について解説します。
◆コンテンツ◆
配偶者の税額軽減とは?
亡くなった方の配偶者が遺産を相続する場合、相続税の負担を大きく軽減できる制度があります。これを「配偶者の税額軽減」といいます。
配偶者が取得した正味の遺産額が、次のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税はかかりません。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 1億6,000万円 | 配偶者が取得した財産が1億6,000万円以下であれば、原則として配偶者に相続税はかかりません。 |
| 法定相続分 | 1億6,000万円を超えても、配偶者の法定相続分までであれば、配偶者に相続税はかかりません。 |
夫婦で築いてきた財産を残された配偶者の生活に使えるよう、手厚い優遇が用意されています。
小規模宅地等の特例とは?
もう一つ、相続税対策で非常に重要なのが「小規模宅地等の特例」です。
これは、亡くなった方が住んでいた自宅の土地などについて、一定の要件を満たす場合に、土地の評価額を大きく下げられる制度です。
自宅として使っていた土地の場合、330㎡までの部分について、評価額を最大80%減額できる可能性があります。
例えば、土地の評価額が5,000万円だった場合、特例を使えるかどうかで相続税の計算上の評価額は次のように変わります。
| 特例の適用 | 土地の評価額 | 相続税の計算上の評価額 |
|---|---|---|
| 適用前 | 5,000万円 | 5,000万円 |
| 適用後 | 5,000万円 | 1,000万円 |
このように、同じ土地でも、相続税の計算上は評価額を大きく下げられる可能性があります。
特に、自宅の土地の評価額が高いご家庭では、この特例が使えるかどうかで相続税額が大きく変わります。
特例を使うときの注意点
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、相続税を大きく減らせる可能性がある一方で、注意すべき点もあります。
相続税の申告が必要です
特例を使った結果、相続税がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるためには相続税の申告が必要になることがあります。
相続税の申告期限は、原則として亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
期限を過ぎると、特例を使えなくなる可能性があるため注意が必要です。
二次相続も考えておきましょう
配偶者の税額軽減を使えば、一次相続では税負担を大きく抑えられることがあります。
しかし、配偶者が多くの財産を相続すると、将来その配偶者が亡くなったときの相続、いわゆる「二次相続」で、子どもに相続税の負担が集中する場合があります。
目先の相続税だけでなく、次の相続まで見据えて遺産分割を考えることが大切です。
まとめ:特例が使えるかどうかで相続税は大きく変わります
相続税は、基礎控除額を超えたら必ず大きな税金がかかる、というものではありません。
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使うことで、税負担を大きく減らせる可能性があります。
ただし、特例には細かな要件があり、誰がどの財産を相続するかによって結果が変わります。
特に自宅の土地や二次相続が関係する場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
次回の第4回では、元気なうちから始められる「生前贈与」や「生命保険の活用」について解説します。
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